(2)嫉妬と疑いと

2/9
612人が本棚に入れています
本棚に追加
/91ページ
『彼にラインしてるのに、既読にならないから、ちょっと心配。最近、残業多いみたいだから、メッセージ読む時間がないのかも。今日食べたマカロン、美味しかったから差し入れしてあげたいな』 『今日は会社が休みだから、家に行ってご飯作ってあげようって張り切ってたのに、彼、いなかった~!奮発してメロンのタルト買ったのに。悲しい。。。』  なずなさんのつぶやきは、スイーツと、彼に逢えない寂しさで溢れている。 (恋人に会えないから寂しくて、誰かに愚痴を聞いてもらいたいのかな……)  わたしは、だんだん、なずなさんが気の毒になってきて、先程まで彼女に対して複雑な気持ちを抱いていた自分が恥ずかしくなった。  SNSを一通りチェックした後、わたしは結局、遥に電話をし、お喋りに付き合ってもらった。遥から篠崎君とのノロケ話をたくさん聞かされ、楽しい時間を過ごし、夕方になって、颯手が帰宅した。
/91ページ

最初のコメントを投稿しよう!