623人が本棚に入れています
本棚に追加
/91ページ
車が停まり、外に出ると、遥が「んーっ」と伸びをした。京都から約1時間半のドライブで体が固まってしまったのかもしれない。
私も遥の真似をして伸びをしていると、
「杏奈。疲れたん?」
後から降りてきた颯手が、私の顔を覗き込んだ。
「少し」
「途中で、1回しか休憩しいひんかったしね」
途中、トイレ休憩のために、一度だけ『道の駅』に止まったが、あとはノンストップでここまで走って来た。
「篠崎君の方が、きっと疲れてると思う」
「そうやね」
私たちは心配になって篠崎君を見たが、彼は疲れた様子もなく、遥からハンドバッグを受け取っている。
(篠崎君ってクールだけど、恋人の荷物を持ってあげたりするんだ)
あまりそんなことをしそうにないタイプだったので、意外に思う。
最初のコメントを投稿しよう!