(1)トリプルデート

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 車が停まり、外に出ると、遥が「んーっ」と伸びをした。京都から約1時間半のドライブで体が固まってしまったのかもしれない。  私も遥の真似をして伸びをしていると、 「杏奈。疲れたん?」 後から降りてきた颯手が、私の顔を覗き込んだ。 「少し」 「途中で、1回しか休憩しいひんかったしね」  途中、トイレ休憩のために、一度だけ『道の駅』に止まったが、あとはノンストップでここまで走って来た。 「篠崎君の方が、きっと疲れてると思う」 「そうやね」  私たちは心配になって篠崎君を見たが、彼は疲れた様子もなく、遥からハンドバッグを受け取っている。 (篠崎君ってクールだけど、恋人の荷物を持ってあげたりするんだ)  あまりそんなことをしそうにないタイプだったので、意外に思う。
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