(2)あやかし退治

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 和室に戻り、颯手とお風呂を交代する。誉はいつの間に用意をしていたのか、ビールを飲んでいた。 (誉、元気だなぁ。疲れてないのかな?)  「後で颯手も飲むと言っていたが、杏奈も飲むか?」と聞かれたが、わたしは首を横に振った。今はそれよりも眠い。  従兄たちが和室で打ち上げをするようだったので、わたしはベッドのある寝室へと移動した。掛布団をめくり、潜り込む。頭をのせた枕は柔らかく、清潔なカバーが気持ち良かった。  すぐにうとうとしてきて、わたしは目を閉じた。すうっと眠りに引き込まれ――。  どれぐらい時間が経ったのか、髪を撫でられている感触があり、ふと目を覚ますと、 「杏奈?かんにん。起こしてしもた?」 優しい声で名前を呼ばれた。 「颯手……?」  目の前に、愛しい夫の顔がある。彼はわたしの髪から手を放すと、頬に触れた。 「少しうなされてたで。怖い夢でも見たん?」 「夢……?」  何か悲しい夢を見ていたような気がしたが、それは目を覚ましたと同時に忘れてしまった。
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