(1)スイーツと昔の女性

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 いきなり、あっさりとした反応に変わってしまった颯手を不思議に思い、 「もしかして、このアカウントのこと知ってたの?」 と尋ねると、 「この人、僕の知り合いやねん」 意外な答えが返ってきてびっくりした。 「知り合い?」 「うん。僕、『Cafe Path』を開く前はイタリア料理店で働いてたんやけど、その時の後輩や。桐谷(きりたに)なずなさんっていうんよ」 「えっ、そうなの?じゃあ、この人、颯手のお店だって知っていて、『Cafe Path』に来たの?」  知り合いの店だから、こんなに褒めてくれたのだろうか。すると、颯手は首を振り、 「そういうわけやなかったみたい。うちに来たのは、たまたまやて言うてた。カフェ巡りが趣味で、京都中のカフェを巡ってはるらしいわ」 と言った。 「そうなのね」 「久しぶりに会うて懐かしかったわ」  嬉しそうに微笑んだ颯手を見て、ふいに疑念がわいた。  颯手が『Cafe Path』を開く前というと、私がまだイギリスに住んでいて、日本に帰ってくる前だ。その頃の颯手がどんな風だったのか、わたしは詳しくは知らない。 (恋人とか……いたりしたのかな。もしかして、この人と付き合ってたとか……)  なずなさんの自撮り写真を見て、急に嫉妬心が湧いた。
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