(1)スイーツと昔の女性

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「杏奈が嫉妬してくれるなんて、嬉しいわ」  面白そうな顔をして笑った颯手を見て、早とちりした自分が恥ずかしくなり、慌てて、 「し、してないっ」 と否定すると、 「嘘。してた」 と断言されてしまった。 「……してないもの……」  視線を泳がせながら、もう一度、否定する。すると、 「嘘を言う子はおしおき」 と、唇を塞がれてしまった。 「んっ……」  甘いおしおきに抵抗出来ず、力が抜けていく。  そのまま、ソファーの上に押し倒されて、体のあちこちに何度もキスをされ、わたしはさすがに、 「ま、待って……!」 と声を上げた。 「ん?」 「まだ、お風呂に入ってない……から……」  小さな声でそう言ったら、颯手は、ぱちりと目を瞬いた後、吹き出した。 「かんにん。杏奈が可愛かったから、つい。ほんならお風呂に入ってき。今日は夜更かししよ?」  颯手に解放されて体を起こしたら、額に優しく口づけられた。わたしは乱れた服を整えると、火照った顔で「うん」と頷いた。  *
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