星の降る星

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星の降る星

 毎晩、この星には星が降る。僕は、そんなこの星を好きになれなかった。それはまだ、お母さんが生きてた頃に教えてくれた、こんな会話を思い出すからだ……。 「ねえ、お母さん。なんで、毎晩お星さまが降るの?」 「それはね、遠いどこかの誰かが死んだ時、それが悲しくて泣いた、誰かの涙なんだよ」 「じゃあ、お父さんが死んだ時も、お星さまが降ったの?」 「そうだよ。それはもう、たくさんのお星さまが降ったのよ」  「そっか……もしも、またたくさんのお星さま降ったら、僕の傘にお母さんを入れてあげるね」  その後、お母さんは死んでしまって、僕は独りになった。とても、悲しくて空からはたくさんのお星さまが降った。それは、僕の傘では防げないくらいに、たくさんのお星さまが降ってきた。  でも、本当に悲しいのは、その後に待っていた。  今はもう、この星で星が降る事はない。  僕は、星が降らなくなったこの星が嫌いだ。
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