駆けぬけた思いー新しい出発(たびだち)ー

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「アンジー?」 オフィーリアが声をかける 「奴らは純粋に走りたいだけ」 真正面を見据えて言う 「奴らって…?」彼の横顔を見て 訊ねるオフィーリア 彼女の方を振り向くアンジー 「馬たちだよ、人間が勝手に金儲けの道具にしてるだけの話 奴らにとっちゃあ迷惑だよな」 「サーニンにお祝いしに行こう」 ロナルドとはしゃぐマックス 「そうだな! 俺も奴にお礼いわなきゃ…」 「で、いくら儲かった?」 ロナルドに手を差し出すアンジー 「お裾分け」 「どうしておまえにやる必要あるんだよ、するのならサーニン」 二人のやり取りを見て微笑む オフィーリア 「何が可笑しいの?」  「なんでもないわ、マックス なんか親子みたいだなぁって」 「誰がこんな奴と親子なんだよ」 一斉に声を揃えて怒鳴る二人  お互いに睨み合う そして彼女の前に来るアンジー 「行こう、フー姉さま」 オフィーリアの手を取り歩きだす そんな二人を見つめるマックス 「あの二人 結局、どうなってんだろう…」 「まぁ、あの二人は 変わんないのかな」 ボソッと言うロナルド 「でも…」 「慌てることないよ それよりサーニンの所へ行こう」「うん」 レースが終わりインタビューを うけているサーニン 近くまで来たのに近づけない二人 「あいつらがいなくなるまで 無理だな」マックスに言った 「でも、凄いなぁ サーニンの姿見えないよ」 全てのレースが終わり 帰っていく人々 「さっきまでの賑やかさが 嘘みたいに静かだな」 彼女の手を繋いだまま言った 「馬たちも落ち着いて 優しい目をしてるわ」 繋いだ手をそっと離し 彼女の横顔を愛しく見つめる ーそう言ってる君の瞳の方が 優しいからね、オフィーリアー 「ごめん、待たせたね」 「サーニン」 多くの人から解放され、みんなのもとへやって来たサーニン エルジュニアも一緒です ロナルドがエルジュニアに 「おまえ、よく頑張ったなぁ~」 そう言って抱きついた その様子を不思議そうに見る サーニン 「一体どうしたの?」 「そりゃあね、がっぽり儲けさしてもらったもんね、ロナルド」 皮肉を言うアンジー 「そうそうサーニン 何でもいってくれよ! 今夜は大盤振る舞いだからさ!」 「じゃあさ、オレは構わないからジュニアにしてやってよ!」
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