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「ただいま、パム」
「おかえりなさい、サーニン」
笑顔で迎えるパム、少し照れ気味で家の中に入っていく
二人の後ろから黙ったままで入るアンジー、そのまま階段を昇った
「なんなんだよ、あいつ」
階段の方を見て言うサーニン
「具合でも悪いのかしら…」
「でも、車乗る前までは普通だったけど…」マックスが言う
最後にロナルドが入って来た
「ロナルド、ご苦労様」
「いえいえ、どういたしまして
ジャックは?」
「夕方には帰ってくるわ
夕食食べていってね
とりあえず中に入って座ってて
珈琲入れてくるから」
リビングのソファーに座る
サーニンとマックスもやって来る
「ロナルド、この雑誌なに?」
テーブルの上にある雑誌を見る
「グレアムが載ってるよ」
その言葉に雑誌を手に取りパラパラと捲っていく
“話題の人、若きピアニスト
グレアム=クレーマー
レコードデビュー決定”
「ほんとだー」
「凄い!」
パムが珈琲を運んできた
「ねぇ、パム
グレアムが載ってるよ」
「あら、本当」
雑誌をひとしきりに会話が弾む
「アンジーの奴は…」
ロナルドが二人に聞く
「部屋から出てこないけど…」
ーあいつ
やっぱり気にしてるのか?ー
車の音が聞こえた
「ジャックが帰ってきたよ」
「迎えに行こう」
玄関へ走って行く二人
二人の姿が見えなくなる
「パム、これなんだけど」
ロナルドがあるページを開く
そこに載ってるのはアンジーの母
「あいつ、気にしてないって言ってたけど、本当は…」
顔をしかめるロナルド
「当たり前でしょ
おかあさんなんだから」
そう言いながら記事を見ている
「そっくりね!
特にこの目元なんか…」
写真の中の母彼女の瞳は
エメラルドグリーンに輝いている
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