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アンジーの部屋
ーなんだか気になるんだよなぁ!
こういうときの勘って
結構当たるんだよなぁー
ガチャ、ドアが開く
「サーニン…」
「パムが食事だからって」
「あっ、うん」
サーニンの顔をじっと見る
「何か…?」
「いいや!すぐ行くから」
賑やかな食事が終わり一息つく
「ジャック、これだよ」
マックスが雑誌を持ってくる
「なるほど、確かに凄いね!」
雑誌を見ながら頷くジャック
「自慢の息子が増えたわけだ」
ジャックを見て言うロナルド
「なんかぼく一人だけ
何もないんだ…」
ボソッと呟くマックス
「大丈夫だって、こいつだって
まだどうなるかなんて
わからないんだしさ」
アンジーの頭を小突いて言う
「止めろよ、ロナルド、それに
どうなるかわからないって
どういう意味だよ」
そう言って彼の手を振り離した
「つまりさ
慌てることないって話し!」
マックスに言い聞かすロナルド
「わかってるよ
ジャックにも同じこと言われた」
みんなの話しを黙って聞いていたサーニン、大きく深呼吸をすると
真っ直ぐに見つめ話しだした
「ジャック
大事な話しがあるんだけど…」
真剣な表情のサーニン
他の四人が立ちかける
「みんなにも聞いてほしいんだ」
真っ直ぐに前を見据えた茶色の瞳
みんなが座ると話しを続ける
「今年いっぱいで騎手を辞めることに決めたんだ!」
「えっ…?」
「どういうこと?」
「サーニン」
それぞれに驚きの声が上がる
ー俺の勘って、やっぱり
当たるんだよなぁ
でも、どうしてー
「でも、急に辞めるって言ったら
みんなに迷惑が…」
「大丈夫!きちんと話しは
してるから」
ジャックの言葉を遮り力強く言う
「そうか…じゃあ、辞めて
どうするんだ?」
真剣な目がぶつかり合う
パムが水を持ってくる
「ありがとう、パム」
優しく微笑みかけるパム
一口水を飲み、意を決して
「オレ、獣医になりたいんだ」
「獣医…!」
「あの…うまく言えないけど
それに…獣医になりたいって話したら、それならここにいる馬たちの面倒はおまえに任せるって…
言ってくれたんだ」
少し伏し目がちになる
「もうそこまで決めたんだ
わかった、但し今やるべきことはきちんとやるんだぞ!」
「わかってるよ!」
「よし!
じゃあ、今日はここまで
疲れただろ、早く休みなさい」
ジャックに促され自分の部屋に
戻るサーニン
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