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その夜、五人揃っての食事
「今日はロナルドの奢り」
「誰がだよ」
アンジーを睨みつけるロナルド
「あっ、いいよ
今日はオレの優勝祝いだからって
ジュニアの馬主さん持ちだから」サーニンの言葉に何故だかホッと
した顔になるロナルド
「あれ?確か奢りだって大口言ってたのは誰かな…?」
「俺が奢るのはサーニンとジュニアだけ!おまえらは関係ない」
相変わらず皮肉を言い合う二人
そんなやり取りを笑顔で楽しそうに見ているサーニン
「ほら、じゃれてないで
食事にしましょう」
メインディッシュを食べ終え
デザートが運ばれてくる
サーニンを見たアンジー
「でも、エルはおまえ以外には
なつかなかったのにさ!
ジュニアはおとなしくて誰にでもなつくよな…」
「そう、だから次のレースでは
ジュニアに乗るのはオレじゃないんだ」彼の言葉に注目する四人
「じゃあ、おまえは?」
アンジーが訊ねる
「次の大きなレースまでは少し休んで身体をケアしろってことだ」そう言ってデザートのアイスクリームに手を伸ばすサーニン
「確かにな!馬もだけど人間の方だって休めるときに休まなきゃあ
疲れるからな…」
ワインを飲みつつ言うアンジー
「その間に人間ドックでもするか
なんなら俺が診てやるよ」
ウイスキーを飲みながら言った
「ロナルド、それはジャックに
任せたら!」空っぽのワイングラスをテーブルに置き言う
「じゃあ、サーニン休みの間は
どうするの?」彼の顔をじっと見て聞くマックス
「家に帰るよ、ジャックやパムに会いたいしさ、グレアムにもね」「でも、グレアム忙しいから
会えないかも…」
少し考えて言うマックス
「そっか…グレアムも頑張ってるんだな!」
「サーニンのおかげかもよ」
なぜか寂しげな顔のアンジー
「ぼくたち、明日の昼に帰るけど
サーニンも一緒に帰れる?」
「大丈夫、みんなの時間に
合わせるよ」
「それじゃあ、パムに連絡しなくちゃね」嬉しそうに言うマックス
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