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アンジーの作ったメインディッシュも空っぽになり、テーブルにはホールケーキと手作りパイ
それぞれ好みのお酒にジュース
「入賞、おめでとう
一番じゃなかったのは残念だけど
うちの出版社も少しは認めてもらえるかもね」
真っ直ぐに彼女を見て言った
「でも、あの時背中を押してもらえなかったら応募してなかった」
少し照れながら感謝の言葉を言う「そうそう忘れないうちに…」
隣にいた青年が立ち上がり大きな箱を持ってきた
「はい、我が家の親たちから」
オフィーリアの前に差し出した
「あの、これ…」
戸惑い気味のオフィーリア
「素直に貰っとけよ」
「アンジー」
彼女の代わりに受け取り箱にかかったリボンを外し蓋を開けた
透明なケースの中には七色の薔薇の花束とかすみ草
「わぁ、素敵!
これドライフラワーね」
パムが箱の中から出して言う
「ほんと、綺麗だわ!」
目を輝かせて言うオフィーリア
「選んだのは母親だろうね
もちろん父親や叔父さんの気持ちも詰まってるよ、フーちゃんは
みんなにとっても娘だからね」
「そうそう、親としては素直に
受け取って欲しいはずだよ」
ロナルドがそんなことを言った
「おまえが口挟むことか」
ジャックが厳しい口調で言う
「俺にも娘がいるんでね…
おまえよりは親の経験長いからな
男同士ならなんとか気持ちがわかることもあるかもしれないけどさ娘の気持は父親にはわからないことばかりだよ…」
「でも、私は娘じゃないわ」
パムからプレゼントを受け取り七色の薔薇を見つめ寂しげに言う
「それは関係ないよ!大切なことは本当に愛してるかだよ!血の繋がりは確かに切れない、でも心の繋がりがなければそんなもの気にすることじゃないよ」
ジャックの言葉に四人が父親である彼をじっと見つめる
パムも優しい笑顔で見ている
「じゃあ私は本当に幸せだわ」
真っ直ぐ前を見るオフィーリア
「だって私、おかあさんに充分愛されて育ったから…わずかな月日だけどほんとに愛されてた」
「だからフーちゃんは優しいのね」彼女を見て言うパム
「私、優しくなんか…」
悲しげにパムを見るオフィーリア
「我が家の子どもたちはあなたのことが大好きよ、理由なんてないわ、ただフーちゃんが四人のことを受け入れてくれたからよ」
「私はただエイダに頼まれただけで…」そう言って彼女を見た
「頼まれたからって馬の面倒まで見れないよ、エルだってあの場所は気にいってたからね」
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