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キッチンに来たオフィーリア
その手には珈琲カップ
洗い場に置くと忙しく動いているアンジーを見る
「手伝うわ」
彼女を見たアンジー
「今日の主役はフー姉さまでしょそれに、ほとんど終わってるし」
「あら、別にいいじゃない」
そう言ってアンジーの頬をつつく
「止めろ!」
彼女の手を掴むアンジー
「痛いってば」
一瞬、目が合う
怒ってるような哀しんでるような瞳でオフィーリアを見つめる
「アンジー?」
オフィーリアの手を引っ張り
歩きだす、キッチンを抜けて
リビングを通り過ぎる
「やだ、離して」
彼女のそんな言葉を無視して歩く
「何処に行くのよ!」
二人を追いかけてパムが来る
リビングにいる四人が彼女を見た
「パム、あの二人どうしたの?」
マックスが慌てた口調で訊ねた
「それが…よくわからないのよ
アンジーが急にフーちゃんを…」
戸惑いながら話すパム
「あいつ、何やってんだよ…」
サーニンがイラつきながら言った
ガチャリ 玄関が開く音
「外に行っちゃったよ」
パムを見るサーニンとマックス
「愛の告白でも、する気かもよ」
ほくそ笑みながら言う社長
その言葉に何も言えない空気が
部屋中に漂う、暫く続く沈黙
「僕にとってはフーちゃんは
お姉さんなんだよね
世話になった弟としては誰よりも
幸せになってほしいんだけど
うちの親なんか僕のことよりも 気にかけてるよ」
その静けさを破って彼が言う
「確かに先生にとっては、彼女は大事な娘だよな」
彼の言葉の後、続けて言う社長
「先生…?」
マックスが不思議そうに聞く
サーニンとパムも同じ気持ちだ
「彼の父親は俺のハイスクールのときの先生なんだ、ほんと迷惑かけたから少しは恩返ししなきゃって思ってる、だからさちょっと
あいつに忠告したんだよ!」
「忠告…?」
「そう、彼女は夢が叶って
それでいいって思ってるかもって
これ以上のことはないって」
「それってどういうこと?
よくわかんないけど…」
考え込むマックス
二人を真っ直ぐ見るサーニン
哀しそうな表情になるパム
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