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オフィーリアの手を掴んだままのアンジー、家に到着するまでの車中の会話が頭の中を占めていた
「彼女は夢が叶って、それでいいって思ってるかも」
「今のままが自分にふさわしいって決めつけてるよ」
「君はそれでいいのか…?」
俺は…
俺にとって一番ふさわしい場所は
やがて裏庭に来た
掴んでいた彼女の手を離し
背中を向ける
「アンジー
いったいどうしたの?」
彼に掴まれ赤くなった手を擦る
「オフィーリア
俺じゃ駄目なのか…?」
声が震えている
「えっ…」
おもわず背中をじっと見つめた
「俺が、今ここに居られるのは
君がいてくれたから」
暫く黙ったままのオフィーリア
やがてポツリと言う
「私なんか…だって
あなたの周りにはいつだって
たくさんの人たちがいてるわ」
振り返るアンジー
そして優しく彼女を抱きしめた
「ひとりぼっちだったとき
辛かったとき
何も言わず側にいてくれた」
「私…」
「嬉しかった!ほんとに
だから…今度は俺の番だから」
風に吹かれて優しく揺れる木々
キラキラ光る
エメラルドグリーンの葉っぱ
暖かい陽射しが
二人を見守っている
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