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車の止まる音、誰か下りて来る
「俺、まだ準備が残ってるから」
走り去る彼の後ろ姿をじっと見る
車から下りて来た二人
グレアムとエイダ
「どうしたの?」
「今、アンジーがそこに…」
「彼がどうかしたの?」
「いや、別に」
「早くいきましょう」
そして玄関へ歩きだした
裏口からキッチンへ戻ってきた
アンジー
「ごめん、すぐに…」
「大丈夫、できてるわよ」
優しい笑顔で出迎えるパム
「こんなもんでいいかな?」
ニヤニヤ笑いながら言うサーニンとマックス
「サンキュー」
少し照れながら礼を言うアンジー
ピンポン
玄関のベルが鳴る
「きっとグレアムだよ」
いそいそと玄関へ行くマックス
「おかえりなさい」
満面の笑みで出迎える
「ただいま」
いつもと変わらないグレアム
「こんにちは、マックス」
「エイダ、久しぶり」
グレアムのいとこのエイダ
「ねぇ、フーちゃんは?」
彼女はオフィーリアの親友だ
「どうぞ、中へ入って」
パムが二人に声をかけ、リビングへ案内する
ソファーに座る二人の男性
グレアムが彼らを見る
自分とそれほど変わらない男性と彼より10歳ぐらい年上と思われる
顎髭を生やした男性
「初めまして、今日はお祝いパーティーに勝手に押しかけてきました、クレーマー家のみなさんには
お世話になってます」
「何も世話なんかしてないよ」
グレアムにそう言うマックス
「えっと、つまりこの家の人たちはフーちゃんにとっては大切な人だから、そういう意味で言ったんだと思います ねぇ社長」
「社長って、出版社の?」
「名も知れない出版社だけどね
でも彼女のおかげで忙しくなりそうだよ」顎髭を触りながら言った
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