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「だからと言って無理に書かせないでくださいよ」
キッチンからリビングへ来た途端
厳しい口調で言うアンジー
「ご心配なく、そんなことになったらこいつの父親にぶん殴られる
まぁ今なら負けないと思うけど」
物騒な言葉にざわつくみんな
「ところでフーちゃんは…?」
アンジーに訊ねる青年
「うん、まぁね…」
なぜかはっきりしない
そんなアンジーをじっと見つめる
グレアム、そっとマックスに聞く
「何があったの?」
「あのね…」
マックスの言葉に自然と顔が緩む
ーへぇ、じゃあさっきのは…ー
ガチャン
玄関が開く
「きっとフーちゃんだよ」
「俺、ちょっと」
慌ててキッチンへ逃げだす
玄関からなかなか入ってこない
オフィーリア
「見てくるわ」
そう言って歩きだすエイダ
玄関の前まで来ると入口でじっとする彼女を見た
「フーちゃん
中に入って来たら…」
声のする方を見たオフィーリア
「エイダ、来てたの
ごめん 気づかなくて」
申し訳なさそうに言った
彼女の顔を見るエイダ
ー泣いてたのかな…目が赤いー
「身体の調子はいいの?
パパさんが心配してたわよ」
相変わらず自分のことよりも人のことを気にかける彼女に嬉しくなりおもわず抱きしめる
「ちょっと、エイダ、何…」
「ありがとう
あたしね、あなたの童話をこの子に読んであげるからね」
エイダの言葉に彼女を見た
「あの、それって…まさか
ほんと!おめでとう!!」
「あの二人、昔からかわらず
仲いいみたいだな」
玄関の方を見ながら言う青年
「昔からって君はフーちゃんとは
いつ頃からの知り合い?」
グレアムが彼に聞く
「いつ頃って、まぁ生まれる前からというか…親どうしが知り合いだからなぁ」
「親どうし…フーちゃんから親の話しって聞いたことないよな」
サーニンが考えながら言った
「フーちゃんにとっては一番遠い存在かもしれないなぁ」
寂しそうに言う青年
「でも、それってどうして…」
彼に訊ねるマックス
「その話しはフー姉さまから
聴けば言いだろ
もっとも彼女が話したくないなら
そっとしとくべきことだけど…」
キッチンから戻ってきたアンジー
その場にいるみんなの顔を見回してきっぱりと言った
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