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 散々だった。  学校からの帰り道。部活の会議が長引いたため、周囲はもう暗闇に包まれている。雨上がりのアスファルトには、所々水溜まりができていた。  僕は、横断歩道の白いところだけ歩く小さな子供のように、その水溜まりを避けながら歩いていた。  「はぁーーーーーーーー……」  思わず溜め息が漏れる。  今僕は高校三年生。所謂大学受験生だ。  察しのいい人ならお分かりだと思うが、僕が今こんなに落ち込んでいるのは、今回の模試のせいだ。
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