時計の針のように

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それから彼が引っ越すまで毎日のように彼に会って話した。 特に星空を見たあの日の夜の思い出は忘れることはできない。 彼が転校した後は本当に寂しかった。 毎日が空っぽで色のない世界にいるようだった。 恋は時に私たちを狂わせ一種の魔法のような力で私は彼に執着していたのかもしれない。それからも彼と私は連絡を取りあっていたが、お互い受験勉強などで忙しくなるにつれて自然と連絡が途絶えた。 お互いの時間だけでなく物理的な距離が私たちを引き離した。 それに結局彼は私にもう一度会いに来るという約束を果たさなかった。 私自身、彼に会いたいという思いが薄れていた。 もし今、彼と街ですれ違っても気づくことはないと思う。
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