エピソードⅠ --戦いの前奏曲--

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「・・・で、私の映像を見て、あなたは楽しんでいるわけね?」  右斜め下をホバリングする眼立方体(キューブアイ)に向かってマリーレが言うと、ミニドロイドは、 「ああ、実に役得だね」  と答えた。 「もうっ!」  マリーレはミニドロイドに左手で軽くパンチを見舞ったが、ミニドロイドは一旦バラバラのキューブ状態になってパンチを回避すると、また、すぐに元のキューブ集合体の人型として復帰した。 「・・・まあ、いいわ!私もすぐに行くから!」  マリーレが左後方に体をひねるようにして一気に立ち上がると、彼女の開いた足の間を眼立方体(キューブアイ)が上方を見上げつつスィーッと通り抜けた。 「またぁ!!」  マリーレは右足の先でミニドロイドに蹴りをお見舞いし、ミニドロイドのキューブはまた一気に崩れたが、今度は再度集合することをせずに、そのまま階段の上に向かってキューブの集団で波状運動をしながら登っていった。 「お先に!マリーレ!」 キューブの集団となったミニドロイドはそう言い残した。  マリーレはチャレンジャーの男に対して若干の緊張を感じていたが、すぐにそれを打ち消すように、軽快なステップで階段を駆け上がり、円形広場の中央にある筒形の光子昇降機(オプティカルリフター)に乗り込むと一気に階下に下っていった─── (負ける訳にはいかない!)  マリーレはそう心に誓っていた。             エピソードⅠ --戦いの前奏曲-- End
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