おデブなかぐや姫

1/1
前へ
/1ページ
次へ
『………今は昔、竹取の翁といふ者ありけり、野山にまじりて竹を取りつつ、よろづの事につかひけり。名をば讃岐の造となむ言ひける。』 皆様、はじめまして。 知る人ぞ知る。妾の名前は、かぐや。 月からのお迎えが来てから、もう直ぐ1年が経つと申されますのに、妾の身体は未だにおデブのままであろうとは………。 この星へ来て、お団子の旨さの虜となってしまったが故に、ついつい食べ過ぎてしまったワタクシと言うモノが憎い。 それが故に、月の世界に帰る事を許しては貰えずに、後、1年の猶予を与えられたのは宜しいのですが………。 ………嗚呼。 星降る夜に月の光に包まれて………。 妾の世界へ帰りたい………。                  《 完 》
/1ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加