それでも私は無味魂

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お前、美味そうだな。だから俺が食ってやるよ。有りがたく思いな。 私の目の前に突然現れた得体の知れない生き物は、偉そうに私にそう言った。 嫌よ、私はまだ生きたいもの。 私がそう答えると、その生き物は生意気だなーと呟いて、更に話を続けた。 あんたに残された命は、あと1日だ。せーぜー大事に生きろよ。俺様に食われる前に、自分の命に味付けしときな。ちなみに俺様は、恐怖に充ち溢れた命の味が大好きだ。もっと俺様を怖がれよ。 バーカ。私はあんたに食われたりしないし、怖がりもしないわよ! 得体の知れない生き物に、あっかんべーをした所で、私は夢から覚めた。 変な夢。疲れてるのかしら私。 鳴り響く目覚まし時計を止めて、私は起き上がる。カーテンを開くと、朝日が眩しい。 さて、子供達を起こして、学校に送り出さないと。 私は着替えを済ますと、寝室から出て子供達の部屋へ向かう。いつもの日常の始まりだ。 変な夢の事は、忘れてしまおう。私はこれからも子供達と生きるのだから。
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