それでも私は無味魂

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仕事から帰宅しても、悪魔は私に付きまとう。本当、諦めが悪いよあんた。 「いい加減、諦めてよ。私はあんたに恐怖なんて感じてあげないよ。絶対に」 夕飯の準備をしながら、私は悪魔に話し掛けた。 強情な女だなお前は。だが、そんな女を恐怖に陥れて食べる魂は極上の味だ。楽しみだな、お前が俺に恐怖を感じる瞬間が。 「うるさい!あんたも切り刻んですき焼きの具にしてやろうか!」 私は野菜を切っていた包丁を悪魔に向けた。 悪魔はハァ…と溜め息をついた。 せいぜい美味いすき焼きを作るんだな。お前のガキ共が口にできる最後のお前の飯なんだから。 そう言うと悪魔はどこかに行ってしまった。 やれやれ、やっと諦めてくれた。そう思った私は助かったと思い、安堵した。 玄関から子供達の声がする。 お帰りと声を掛けながら、私は玄関へ迎えに行った。
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