それでも私は無味魂

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子供達との夕飯は、今日も楽しかった。 「ユウ太、肉ばっかり食べないで!」 「ユウ子姉ちゃんだって、肉ばっかり食ってるじゃんか!」 「喧嘩しないの!まだ沢山肉はあるから!」 こんな親子の時間が、まだ続くと信じていた。 鍋に沢山豚肉を入れると、子供達から歓声が上がった。ついでに野菜もドンと入れると、ええーとガッカリされた。 「野菜も沢山食べてね」と私が笑うと、仕方なさそうに子供達は自分の器に野菜もよそった。 夕飯後、子供達に洗い物を頼み、洗濯機に洗濯物を放り込んでいると、急に目眩がした。 あ、ヤバイと目眩がおさまるまでしゃがみ込み、ヨイショと立ち上がると、洗濯機の中に生首が見えた。悲鳴を上げると、子供達が脱衣所まで駆けてきた。 「くっ、首…。生首が…」 私の言葉に子供達が洗濯機を覗くと、洗濯物以外入ってなかった。 大丈夫?と心配する子供達を抱き締めてると、悪魔が背後でクスクス笑っていた。 ざまーみろ。俺様を馬鹿にした報いだ!と。
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