それでも私は無味魂

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明日の準備を済ませた子供達が、おやすみと布団に潜り込む。ああ、これが子供達との最後なんだと思い、切なくなった。明日の朝、私はもう子供達のおはようを聞く事はない。 「うん、じゃあね。…じゃないや、おやすみ」 間違えた。しっかりしろ私、子供達の前では普段通りでいろ。何かを感じつかせたら、子供達は泣いてしまう。私が最後に見たいのは、そんな姿の子供達ではない。 「何間違えてるの。おやすみ、お母さん」 子供達はそう言って、目をつぶったので、私は部屋の電気を消して、そっと部屋のドアを閉めた。 随分アッサリしたお別れだな。良いのか?明日、お前はこの世界に居ないんだぞ。と悪魔が私に尋ねる。 良いのよ、これで。私は最後まで自分の日常を生き抜くから。 寝室に向かった私は、ベッドに腰かけて天を仰いだ。見慣れた天井すら、明日朝にはみれないのか…。何だかそれすら切なくなった。
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