それでも私は無味魂

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私はベッドの中で、自分の人生を振り返っていた。子供時代は、友達が沢山居て毎日楽しかったなーとか、旦那と出会った大学時代は、毎日キュンキュンさせられてたなーとか。プロポーズされて、結婚して、ユウ子とユウ太を授かって…。親に愛された記憶はないし、旦那は交通事故で5年前に死んでしまったけど、私の人生は、なかなか良い物だったんじゃないかな。残された子供達の成長を見れないのは残念だけど、私はきっと笑って逝ける。悪魔の為に、自分の魂に悲しみを味付けする気は更々無い。 今日が終わるまで、あと5分。悪魔は全く悲観的にならない私に業を煮やしていた。 「ざまーみろ。私はあんたの好みの味にはなりません」 私がそう言うと、悪魔はフッと姿を消した。 諦めたのかと思ったその時、子供部屋の方からガリガリと音が聞こえてきた。 驚いてベッドから飛び起きて、急いで子供部屋へ向かうと、悪魔は私の子供達を、頭から貪り食っていた。右手に長男、左手に長女を掴んで、交互にガリガリ食っていた。 子供達の脳味噌をクチャクチャしゃぶりながら、脳味噌は女の方が美味いなと呟いていた。 あまりの光景に、私は悲鳴も出なかった。 ただ、食われていく自分の子供達を見詰めていた。そんな…止めてよ。愛した男との大事な子供達なのに…。 どうだ?流石に悲しいだろ。俺様好みの味になる覚悟は出来たか? 子供達を咀嚼し、ゴクンと飲み込んだ悪魔が私に尋ねる。私は首を左右に振った。
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