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バコッ
中村さんが手に持ってた雑誌を丸めて芹沢さんの頭を叩いた。
「お前、調子にのるなよ!茉莉ちゃん困ってるじゃねーか。」
「いってーな!わかったよ!」
中村さんは芹沢さんを押しのけて自分の分もレジの横に置いた。
「全部払うからレジお願い。」
中村さんは困っている私を見かねて助けてくれたのだ。
「はいっ、すぐに…」
そして会計を終わらせると中村さんに引っ張られるように芹沢さんも帰って行った。
「茉莉ちゃん、真面目だし浮いた話の一つもないから芹沢くんいいと思ったのになぁ。」
なんてからかい半分で美代さんが言ってきた。
「美代さん…私本当にそんなのいいですから。興味ないし、今は自分のことで精一杯でそれどころじゃないっていうか…」
「え~、そうかな?恋人がいたほうがなにかとがんばれない?まぁ、芹沢くんが諦めないうちはいつでも誘われるだろうし、絆されてみるのもありだと思うけどなぁ。」
美代さんは私の過去も私の育った環境も知らない。だからそんなことが言えるんだ。
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