仲間

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  拝啓 母上。  お元気でしょうか?俺は今日も元気に勇者やってます。母上は勇者とか存じないと思うので一言で表します。  めちゃくちゃ暇になりました。 「おらおらおらおらおら!!!!よっしゃぁああ!!!110キル達成だぜ!」 「これは最早…無双系のゲームだったの?」  この神父が強すぎて俺は全然魔物を倒さなくても街の外へ出ることは出来た。だけどもまさかの嗅覚のみで魔物の位置を特定することが出来るなんて…  そして俺達は元居た街へと戻っていく。何故か?この神父が街周辺の魔物を根絶やしにするらしく…未だに此処を離れていなかった。 「ブラッドさん…」 「はい…なんでしょうか…勇者様」 「そろそろ先に進みたいんですけど」 「私も三日ほど前からそう思っておりました」 「君自身何言ってるか分かってる?ブラッドさんが、魔物狩りに夢中になってるから進めないんだよ?」 「そうでございましたか…これは迷惑を…」 「三日ほど前から思ってたんならやめろよ」  俺らは魔物を沢山殺して金も入ったので街の酒場へと足を運んでいた。やはり情報が集まるのは酒場だと相場で決まっている。  そう言えば神父ってお酒とか飲むのかな? 「俺はエールを一つください」 「あいよ勇者様!」 「ブラッドさんは何か呑まれたり…」 「はは…酒なんて40年ぶりですね…私はどうしましょうか…」  やっぱり飲むんだ…ああこの人焼酎とかウィスキーとか飲みそうな渋いチョイスしそうだな… 「やっぱり…うぃ―」 「恋の混ざり合うカシオレ一つお願いします」 「あいよ〜」 「女子か」  てか、恋の混ざり合うカシオレって何?普通のカシオレじゃないの?なに…特別メニュー? 「あいよ…エールと恋の混ざり合うカシオレお待ち!」  いやちっさ!!!小さいなおい!!おいおいおい!そんなおちょぼ口で小さく啜るな!可愛らしくすな!!!ショットグラスだぞ!? 「ふう…酔ってきちゃった…」 「ジジイが何言ってんだ?」 「お客さん次何頼みます?」 「じゃあ…次は〜…ゴリゴリメガサイズスピリタス~貴方を地獄へ誘います~を一つお願いします」 「あいよ〜」 「酒の頼み方壁か。高低差が激しいわ。そんなん超大型巨人でも超えられねぇぞ。店主もあいよじゃねぇんだわ。40年ぶりの酒でスピリタスは酷じゃろうて」  未成年ながらエールをちびちびと嗜む俺と違って、40年ぶりの酒を浴びるように流し込む神父。どんなコンビだよ! 「お二人さんどなたかと思えば勇者様と…あら神父さん…さいきん見ないと思ったら勇者様のお仲間になってたんですか?」  突然声が聞こえたと思うと綺麗な赤髪の巨乳さんが俺らの顔を覗き込むようにして見ていた。 「最近…仲間になりまして…」 「そうなんですね…そう言えば魔物のことで情報があるの…これから…どっちか一人が私についてきてくれれば、教えてあげるよぉ…」  これは…俺が行く流れなんだろうな…多分…盗賊系のイベントとかで…バトルになって… 「私がイキます」 「なんでカタカナ?」 「勇者様…私がイキますので…ご安心を…」 「ねぇ…なんでカタカナ?」 「私にイカせてください!!」  ブラッドさんは俺にすがりつくように腕を掴み懇願してくる。そんな彼の頼みに俺は心折れブラッドさんにイッてもらう事にした。  なんでカタカナ? 翌日― 「いやぁあ…腰が…私も歳ですかね…」 「歳ですかね…じゃねぇよ!逆だよ!歳の割に頑張ったんだろ!?」  彼はこれこそ至高の悦びと言わんばかりの表情で帰ってきた…煩悩だらけじゃねぇか!!  聖職者じゃなくて生殖者だろ。何考えてんだコイツ。 「情報はしっかり貰いました…では再生します」  再生します!?  彼は目を細めながら口をパカッと開いて声に出した 「こ…こんらのはじめれぇえええ…しぬしぬしぬ!ど…どうくつぅ…あん…どうくつにぃ…まもののぉおお…ぉおお…おさがあああ…おさをおおおついてえええ…もっとぉおおついてえええ…」 「最中の声真似すな!気色悪い…普通にブラッドさんの言葉で教えて下さい」  どう足掻いてもジジイの声なのだ。どんなに裏声を使おうともそれはジジイの喘ぎなのだ。 「洞窟に住まう魔物の長を激しく突けば―」 「突くじゃないよね?明らかおかしいよね?」  変態ジジイが… 「熱帯雨林でした…」 「やかましか!」  どうやらここから南に向かうと森に入って一直線に進むと洞窟があるらしい。かなり湿った場所だから足場は泥濘んでいるとの事。そこに魔物の長が住んでいてそれを倒すとここら近辺に住んでる魔物は退いていくらしい。  いざ…魔物の長の元へ!!!! 「中々良い洞窟でした…」 「オチをそんな言葉にすな!!!!」
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