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【そこはバス停】
どのくらいの時間が過ぎたのか
ギュッと瞑った時間の長さは計れないけど
降り注ぐ雨粒の強さが激しすぎて
目を開けることも困難だった。
だけどさっきより 緩やかになった雨の気配。
そばにいるはずの弟の様子を確認したい気持ちから
兄はうっすら目を開けて仰天した。
稲光の不気味な鮮やかさおかげで
夜といえど周りの様子が把握出来る。
「ここは?」
「にぃ?」
自分たちの口から零れる言葉の響きに
お互いが目を合わせた。
それからゆっくり周りを見渡すと
だだっ広い畑の真ん中に
大きな道路があって、
びちゃびちゃに、
濡れそぼってしまった
兄弟にはありがたい
こじんまりとした
屋根付きの小屋が見えた。
❃
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