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滝の様に振り続ける雨に 打たれながら、 兄弟が、その小屋に近づくと、 小屋の屋根に、 あの夜銀鳥が佇んで、 こちらをそっと見つめていた。 一声、 暗闇と雷鳴の間を縫うように、 細く透き通った音が ソラと緑の中をぬけていく。 と同時に、 一気に時間が動き出し、 うっすら、 金色と薄紅色の太陽が沈む 夕闇の世界が広がっていく。 兄弟は、 その不思議な光景を ただぼんやりと 眺めていた。 ❃
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