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授業後、直哉は『5分後アプリ』のことが気になって仕方なくなる。
こうなるともう、中毒なのかも知れない。アプリのPushボタンを何度も押したくなる。
『5分後……スマホの充電がなくなります』
直哉はスマホを充電し忘れていたことを思い出す。表示を見るとバッテリーの残量が10パーセントを切っていた。
……ありがとう。アプリ……
直哉は、学校を出ると、友達の宏典と一緒に近くの漫画喫茶に入る。インターネットルームのUSBポートで充電しながら、宏典に『5分後アプリ』のことを話した。
「嘘だろ。そんなのあるわけないよ。アプリ中毒の俺が言うんだから間違いない。お前、都市伝説に凝りすぎて拗らせたんじゃないのか?」
宏典はアプリのことを全く信じていない。直哉が「本当だ」と食い下がると、「なら今から5分後のこと訊いてみろ」と言う。
直哉は、アプリを立ち上げるとPushボタンを押した。
『5分後……神代唯美に告白されます』
宏典はスマホに浮かび上がった文字を見ると「プファア……」と意味不明な笑い声をあげ「やっぱり嘘だ」と言った。
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