第2話

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 武瑠が、「また行こうよ」と声をかけると正憲は、「そうだなぁ。走ってる馬観ると気持ちいいからね。見てみたいよね……」と言う。そしてふと思いついたように言葉を続けた。  「ところでたけちゃん。どうして僕が首吊ること分かったの?」  武瑠は、「あ、そのことならこれだよ」と言って、スマホを取り出し、アプリを立ち上げた。  正憲は、「ほーっ……」と感心したように唸ると「なるほど。競馬以外のことも分かるんだね」と言った。  「まあね」と武瑠が答える。  画面には、オレンジ色のPushボタンが光っていた。  …… あれ。オレンジ色に戻ってるな ……   武瑠は、ついでと思いPushボタンを押してみる。  『5分後……何も起こりません。平安はあなたを幸せにするでしょう』  という文字が浮かび上がった。何より平安が一番だと武瑠は思った。  武瑠は正憲に、「とにかく、ゆっくり休んで治せよ」と言葉をかけると病室を出た。  そして電車に乗ると、そのまま岐阜に向かう。月菜(ルナ)に会いたかったからだ。  よく晴れて月の綺麗な夜だ。木曽川を渡ると、真っ暗だった景色がしだいに煌びやかを増してくる。武瑠は店に入ると、すぐに月菜を指名した。 .
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