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さて、話を元に戻しましょう。
私は食事を中断し、「空を見てみよう」と言いカーテンを開けました。
その瞬間…… シュッ。
「流れ星!」私がそう言うや否や、「明日クレープ屋さんが来ますように!」と言う声が聞こえてきました。そしてそのすぐ後に「私がクレープに毒を入れた」と言う声が。
私がリビングの方を振り返ると、ニュース番組が終わり、次のサスペンスドラマが始まっていました。何というタイミングだろうと私は可笑しくて笑ってしまったのですが、息子にとっては愉快どころではありません。
あのウサギの件以降、息子は「テレビの中の人から自分が見えているのではないか」と思っています。自分の言葉を聞いたテレビの人が、それに答えて「クレープに毒を入れた」と言ったと思ったのです。
「あの人は悪い人だ!」とテレビを指差しながら私に訴えてきます。
しかも、流れ星が流れている最中のことでしたから、息子はそれが現実になってしまうと思い大泣きです。「明日は大好きなクレープ屋さんが来る。でも、あの人のせいでクレープには毒が入っている」そう思ったのです。
大真面目な息子には申し訳ないですが、私はそんな息子を見てさらに可笑しくなってしまって、息子に分からないように手で顔を覆い、声を殺して笑いました。
この時はまだ、笑っていられたのですが……
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