星降る夜に想ふコト

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 西暦××××年×月×日の深夜に世界各地で観測された天体ショー「ジャコテン流星群」が、それを見た沢山の人たちに不思議な効果を及ぼしたのは知ってるよね。みんなから激しい怒りとか、深い哀しみとか、腹を抱えて大笑いとか、燃えるような恋とか、そうした感情が無くなっちゃったの。そんな人たちは「草食人」と呼ばれて、少しずつ当たり前の存在になっていったわ。  その時アタシはちょうど網膜剝離の術後だったから、流星を見ないで済んだけど、退院後の眼に映った人はほとんどが「草食」化していた。家族も友だちもアタシに「草食」化を勧めてくるけど、そんなの全然ツマラナイ!  だけど、だんだんと追い詰められて……そんな時、アタシの部屋のドアを叩く音がした。誰かいるのか!俺の想いは届いているか!それは行き場なく夜の淵に腰掛けていた仲間たちのビートに重なった。そしてこの曲が生まれたってわけ。ドアを叩いたのは彼、ギターのトリヒト!そしてボーカルはアタシ、ココロ!それじゃあみんなお待たせっ行くよっ! 1、2、3、4!!  という、オマージュみたいなもの。
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