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01.星読視僧《ほしよみのそう》
王都から遠く離れた地。
満天の星空の中。
シャワーの様に星が流れる。
流星群に、多くの民が心を躍らせている。
今宵は、多くの星が降る。
天を見上げる者達は、あぁ綺麗だ、と声を揃える。
……とんでもない。
流星は確かに美しい。
だが、それは、最期の煌めきなのだ。
今流れたあの星も、もう終わりなのだ。
星という器だけではなく、星に住まう生き物達も。
俺達の星も、いずれ傲慢な王の許、墜とされる運命なのだ。
生きながらにして、墜とされる運命――。
流星とは、天宙都に逆らった星が墜とされる現象なのだから。
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