01.星読視僧《ほしよみのそう》

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新王即位後、身の危険を感じた俺は、王都から逃走した。 先代の王を暗殺し、軍部の将軍職を手中に治め、実の兄2人を幽閉した若き王。 蛇の様な性格であることは、星で読み解いている。 暗殺の事実を知る俺を放っておくとは到底想えない。 (もっと)も、権力者の思考や嗜好など星を読むまでもなく、分かっている。 俺自身、権力欲の為、自ら志願し宦官(かんがん)となったのだから。 子孫を残すことよりも、今生(こんじょう)一代限りでの名声と権力を選んだのだ。 我が氏族の血脈を途絶えさせても。 だから俺は、新王の考えが分かるのだ。 背に腹は代えられぬ。 俺は身分を隠し、遠く辺境の地まで逃げ延びていたのだ。 不夜城の如き王都と違い、辺境の地は夜の色が濃い。 標高も高いのであろう、肌寒く澄んだ空気で、星空が舞台の如く輝いている。
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