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でもやっぱりそう思うよね。どうしよう。せっかく同じクラスになって気が合って仲良しになったのに、嫌われちゃったかな?と私は急に心配になってしまう。
だって一緒にショッピングにも行けない友達なんていらないって思われたって仕方がない。
さっちゃんは、そんな私をじっと見つめてから、にかっと笑った。
「まぁいっか。でもいつか、るりの放課後の秘密を暴いてやるからね!」
「さっちゃん…」
私は思わず涙ぐんでしまいそうになる。さっちゃんって本当に優しい。いつかさっちゃんになら、私の秘密を打ち明けられる…そんな気がした。
「とにかく日誌やっちゃいなよ!ほら!」
「う、うん」
私はさっちゃんに急かされて、少しあわてて日誌を書き始める。
その時。
「るり!」
ざわざわとうるさい教室によく通る男子の声が響いて、私はぎくりと肩をふるわせた。
一瞬、教室がしーんと静まりかえって、クラスメイトの視線が私に集まった。
い、嫌な予感…。
振り返ると、教室の後ろのドアに手をついて下級生の男子が立っている。
藤城悠馬(ふじしろゆうま)だ。
とたんにきゃーという女子の黄色い歓声があがる。私はがくりと肩を落とした。
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