紙の竜

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 澄んだ青空に舞い踊るは、竜の群れ。 それは竜を長年研究してきたラルフにとって、夢の光景だった。 「夢ならどうか、()めないでおくれ」  ラルフは夢中で走り、空の竜のたちを追った。竜たちはラルフの存在を知っているかのように、天空で止まり、堂々たる姿を見せつける。 「ああ、なんと美しい。これが竜か」  ラルフは必死に手を伸ばした。届くはずもない空に、懸命に。  
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