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24-6
「なんだったら、てめえに街金を巡らして、金の都合をしなきゃなんねえ――」
三下が首を横に振った。「それは、たぶん無理ですよ。もう、こんな奴に金を貸すところはないとおもいますよ」
「だ、だが、それも見込みはうすい」権藤は監督に訂正して言った。「そうなったら、てめえはコンビニ強盗でも、銀行強盗、列車強盗でもなんでもして、金の用意するんだよ。金が手に入ったらこんどこそ遠慮はいらねえ、自殺でもなんでも勝手にしやがれ! いいや! こんどこそ! おれが直じきにてめえをぶっ殺してやる!」権藤は息巻いて言った。が、そのあと、肩を落としてしまった。どれもこれも現実的な解決策ではなかったからだ。「だれか、金持ちの知り合いはいねえのかよぉ?」と、ほとんど懇願するような言いかただった。
そういえば、と監督は思いだした。――エリコちゃんの彼氏は、大金持ちやったな?
『大金持金太郎は、親が政治家で、なに不自由してない男だったから、このチャンスを逃す手はないとおもって付き合ってたのよ。――将来はかれと結婚して贅沢三昧な生活まちがいなしだとおもって付き合ってんのぉ! 文句ある?』
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