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最初の命が生まれたのは、海の中だったらしい。ならば獣も鳥も魚も、全ての生き物はひとつの家族と言っても良いだろう。
海と言う一人の親から生まれた子供。それが俺達だ。
陸に上がったもの、空を目指したもの、海に残ったもの。
皆それぞれの道を選び、それぞれの場所で生きている。言葉も暮らしも生き方も、随分変わってしまったけれど。それでもきっと、どこかで繋がっている。俺はそう信じている。
誰も傷つけたくなかった。失う結末が嫌だった。
だけど自分の意思を通すには、時には傷つかなくてはいけないこともある。何かを失うこともある。……そして「家族」と戦わなければいけないことも。
だけどもう構わない。
誰も傷つかないのが無理なら、俺がその傷を全部背負ってやる。
皆を、この場所を、全てを救えるなら、喜んでこの身を差し出そう。
さぁ、そろそろ始めようか。
全ての命を繋ぎ、全てを終わらせる、最後の「青」の物語をーー
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