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蝶のように舞い、蜂のように刺す!
◇
結論を言うと、俺は再び牢獄に戻って来ていた。
だってまさか孤島だったとは思わなかったもん。バイクで走り出してすぐ海に直面してしまったよ。
その気になれば孤島から出る事も余裕だったけどこの際、道案内がいた方が何かと便利だろう。
そう言う訳で、第1回エルフ脱獄作戦〜!!パプパブドンドンヒューールルルルルズゴオオオオオン!!
幼稚園レベルの知能だ。
「思ったんだけど俺って別に捕まった訳じゃないからコソコソする必要無くない??」
運悪く転生した場所が牢屋の中だっただけだと信じて、俺は牢獄の扉をノックする。
孤島に聳える牢獄の扉は如何にも頑丈そうで、無駄に大きい。筋肉を元に戻したから開けられる自信がない。
「こんにちは!!誰かいませんかーー!!」
「…何用だ」
少しして門が開いたかと思えば、大体3メートル程の大男が大剣…いや俺からすれば大剣ってだけで片手剣なんだけどその馬鹿でかくて刃毀れの酷い剣をチラつかせながら大地を震わせ現れた。
さしずめ巨人族と言ったところかやべえ逃げよう。
「え、ええっと…ここに古い知人が捕らえられてるとお聞きしましてね…はい……」
大丈夫?声震えてない?
「ァア?ちっせー声でビブラート効かせても何も届かねえぞ?」
めっちゃ震えてたらしい。
取り敢えず威圧感凄いからしゃがむなりとこちらの配慮をして欲しいもんだがそんな提案をした日にゃ俺はミンチに早変わりしてしまう可能性が無きにしも非ず。
解決策はたった1つ!
「あのぉ!!ふみません!!」
噛んだ。
「すみません!!!僕ぅ!!ここに捕まってるらしいエルフのお友達なんですけどぉ!!!!」
「でけー声出してんじゃねえ!!!!」
「ビャアアアアアアア!?!?」
剛毛たる剛腕より放たれし魂を強制鎮魂させる通称レクイエムパンチが俺の頬、と言うより全部位に炸裂して俺は吹き飛ぶ。
そのまま放物線を描いてグングンと距離を伸ばし――――ゴールイィィィィン!!
見事に俺が作った穴に落ちました。下へ参ります!!
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