失敗作達

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失敗作達

 産まれてきたことが失敗だった、というか失敗作として産まれてきた。僕には昔から強い劣等感があった。  人と比べておかしい事に薄々気付いてはいたものの、正体不明の何かから、逃げて、逃げていた、どこにも逃げ道なんてないのに。  二十歳を過ぎて何となく感じていたおかしさは医学的には病気だということを知った。  お医者様の言うことに僕は『ADHD(注意欠陥・多動性障害)』という障害と『躁うつ病』『統合失調症』と盛りだくさんだ。ここから先は自分を客観的に見た憶測だけど、他にも色んな精神疾患を併発しているんだと思う。  発達障害の診断を受けて「自分が人と同じ様に出来ない原因を知ってスッキリした」という人も居るらしいが、僕の場合は別だった。 「あぁ、僕は生まれながらにして負け組の惨めな人生が決まっていたんだな」と思った。そう思うと今までの人生にも納得がいく。  こう言うと差別だという人がいるだろうが、発達障害の当事者一人の意見としてどうかご容赦頂きたいと思う。
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