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夏美と私は、高校一年の時にたまたま席が隣同士になり、話始めたのがきっかけで仲良くなった。
お互いの家に遊びに行ったり、お泊りしたり、2年生になった今では、親友と言える存在。
身長170センチの私にとって、小さくて女の子らしく明るい夏美は憧れの存在、私がなりたかった女の子像。
「山下さん、山下さん、山下麻友さん」
ぼーっと、夏美を眺めていた私を呼ぶ声が聞こえた。
「はい⤴」
おかしなトーンの返事が出てしまった。恥ずかしい~。
声の方に振り返ると織田君が立っていた。
「今日、委員会だろう。忘れんなよ」
「はーい、わかりました」
「お前、絶対忘れていただろ!」
「えー、ばれたか。すっかり忘れていたよ。織田君が気が利く、しっかり者で助かったよ」
私がそう言うと織田君は、ちょと呆れ顔をしている。
「ボーっと、マヌケ顔して口開いてたぞ。よだれ垂れても知らないからな」
「そんなことしないよ」
「どうだか」
ハハハと笑いながら自分の席に戻って行った。
私、そんなにマヌケな顔をして夏美の事を見ていたのかな?
そんなことないよね、織田君の誇張だよね。
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