チャイムが鳴ったら

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「麻友、お主イイ乳しておるじゃないか~」 朝、教室に入り自分の机の上にカバンを置いた瞬間に後ろから羽交い絞めで、胸を鷲づかみにして揉みしだかれる。 「きゃ~~~~~~~~~~っ!」 「へへへ、この生意気ボディめー!」 「もう、夏美ったら朝からやめてよぅ」 そう、私の胸を朝の教室で揉みしだいていたのは親友の夏美だったのだ。 女子同士のおふざけとはいえ、共学の男子もいる教室でかなり恥ずかしい。 ほら、男子のグループがニヤニヤしながらコッチを見ている。 「イチャつきたいなら彼氏の所に行ってイチャついてくればいいでしょう」 「まあまあ、そう怒らないで麻友たん♡私めに是非、英語のノートを見せておくんなまし」 「もう、エロ花魁め」 私は、軽く文句を言って、カバンから英語のノートを取り出し夏美に渡した。 「あーもう、麻友たん♡大好き」 夏美がガバッと抱きついてきた。 「もう、夏美たら」 夏美の過剰なスキンシップに慣れているとはいえ恥ずかしい。 ふわふわの髪からのシャンプーの香り、薄い夏の制服越しに伝わる体温、柔らかい体。 うーん、男だったら惚れてまうやろ! 「今、急いで写そうッと」 そう言って、夏美は自分の机に戻りノートを広げ書き写し始めた。 好奇心旺盛な大きな瞳は、今、せわしなくノートの文字を追っている。 人懐こい夏美は、名前通り夏の太陽のような明るさで、私を照らし焼き付ける。
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