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殺風景でひび割れていて、それゆえどこか荒廃したような僕の心は、いつになく悲しみに満ち溢れていた。
あいつが死んで一年がたつからだろうか。それだけではないと思う。ただただ心の中に潜む膨大な不安が僕を襲う。何で生まれてきたのか。どうしてこんな風に生きているのか。自分が情けなく、どうしようもなく苦しい。時々こんな心持ちが僕を襲っては脅かし、そして僕を殺そうとする。これからの将来に対する漠然とした不安と、過去に対する後悔。そして今の自分に対しての苛立ちだった。
何もかもが嫌だ。
今はとにかくどこか遠くへ行きたい。
行く当ては特に決めていない。いや違う。
海が見たい。青くて広くて美しい海。
きっと今の僕は求めている。あの青い海を。
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