19人が本棚に入れています
本棚に追加
/97ページ
性別が女の子だとわかり、
「名前は、何にしよう?」
そんな話をりょうにしたとき、
「彼は、すぐさま、〈ここみ〉がいいな」
といった。
「いい名前。漢字は?」
「どんな漢字が思いついた?」
「心美?」
「俺は、心実、かな? でもさ、名前って、少なからず親の願望がでるとおもうんだ。それが、救いになる場合もあれば、プレッシャーになる場合もあると俺は思う。たかが名前、されど名前。だから、あえて、平仮名でいいかなって。理由なんて、本人が後付けすればいいし、むしろ産まれて生きてくことに、理由付けなんて、要らないことだって多いと思うんだよ」
そのことばの後半の部分は、私に言っているようにも聞こえた…………
「幸せだなぁ」って、、
それが、わたしが心から思えた初めての瞬間だったと思う──
── ── ── ── ── ── ── ───
最初のコメントを投稿しよう!