好きという気持ち

3/3
前へ
/3ページ
次へ
実質失恋のようなものなのに、何故か満たされた気持ちのまま会話が終わった。不思議と元気が出た。 好きな人の恋を応援する、なんて、二次創作じゃ美味しい立ち回りだけど、当人は結構しんどくて。 それでもいいか、と思えるくらい乃々花のことが好きで。 連休が終わって、私は可愛いスカートを履いて学校に行く。 教室の至る所で女の子同士が至近距離で話している。 付き合っているとか噂される二人が笑い会うのを、少し遠くから見守るクラスメイト達。その構図の中に男の子は一人もいない。 担任の先生が入ってきて、やっと"男性"の存在が認識される。そんな朝が当たり前の私たち。 だってここは女子校だから。 ごくごく普通の冴えない落ちこぼれ高校生、それが私だった。 そう、何もかもがありふれていて、「ごくごく普通」という表現の良く似合う人間。 性愛対象が女の子であるという特徴を除いては。
/3ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加