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「そして彼は逃げついた先に努力せずに、そして誰も自分を追い抜こうと思わず、永遠に勝ち続け
自分の美学が崩れない方法を見つけた。」
「それが独裁者、君をイジメ、イジメさせ。
ずっと頂点に立ち続けた。負けを知らない才能だけの男……」
「別に信じなくてもいいですよ。
彼は狡猾で、もちろん人をイジメることに関しても天才でした。彼がやった証拠なんて、ただの一つだってないですよ。
まぁこれだけやられて
クラスの中で彼の証拠だけないなんて逆に証拠ですけどね。」
「すまない、頭ではそうなんじゃないかと思っているんだが、心の中では、まだ自分の息子がこんなことをしたなんて信じられないし、信じなくない。」
「大丈夫です
別に謝って欲しいとか信じてほしくて
ここにきた訳じゃないです。
俺の目的は、あなた方に1週間だけ何もせず干渉して欲しくないだけです。」
「それは、何故だ!もし……もし息子が君を虐めていたとしても今は私の息子が君たちに暴力を受けているのだろう。
それはどんな息子だとしても私たちは親だ
息子が傷ついていくのを、黙って見ているわけにはいかない。」
………
「ちょっと待ってください。
君たちに暴力を受けている?」
「君が報復を受けていると言ったじゃないか。」
「俺を、あんな奴らと一緒にするな!!
言葉足らずだったことは謝るが。
俺にとって今のアイツらと一緒にされることは侮辱以外のなんでもない」
「君は………それだけの傷を……イジメを受けて
やり返したいと思わないと言うのか」
いけない!感情的になるな!
冷静に冷静に
落ち着け、ちゃんと空気を吸え。
「思いませんよ。イジメを受けること、傷をつけられることより、辛いことを俺は知ってる。
俺が『被害者』に望むことは"無関心"だけです。
俺がご両親に干渉して欲しくないと言っているのは
彼を救うためです。俺を理由に報復を、復讐を勝手にやってるやつらから。救うために。
それをするためには。今大人に干渉されるわけにはいかない」
「君は……息子を救うと言うのか
それだけのことをされて、
身勝手極まりないとは思うが息子を救ってくれる。と言うのは、ありがたいが
正直、君が理解できない」
「誰にも理解して欲しいなんて思いませんよ。
こんな気持ち。
俺は……今後"彼"が生きやすい世界を望んでいるだけなんで。」
「彼?息子のことではないよな?」
「そうですね。
…………『被害者』のことは救って見せます。もし1週間後も傷だらけで帰ってくるようだったら、学校に何を言ってもらっても構わないので、一週間は我慢してください。」
「それは構わないが………」
俺は鞄を持って立ち上がった。
「一つだけ言っておきますね。俺は
『被害者』を生きている間は許す気はないですよ。
救いはしますが許しはしません。
『被害者』が今更になって報復を受けている理由は。
俺の代わりにイジメを受けた『親友』が自殺したことが原因です。
それで皆んなのタガが外れて立場が逆転したんです。」
「な!……じさ……」
2人とも顔が真っ青になっていたが
ここでちゃんと釘を打っとかないといけない。
「まぁ死んでないんで未遂なんですけどね。
くれぐれも暴走せずに一週間待ってください
もう色んなことを、後悔しているでしょうが
後悔もできないことにならないようにしてくださいね。
俺は彼の人生を握っている。」
もう返事を返せるような状態ではなさそうだったので
俺はそのまま家を出た。
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