高校というところ

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それをきっかけに私たちは仲良くなった。 「私、和田梨花子。“りか”とか“りかこ”とか呼んでね。二人も下の名前で呼んでいい?」 和田さん、改め梨花子がそう言ってくれて 福谷さんは由紀恵(ゆきえ)って呼ぶことになった。 「宮原さんは?」梨花子にそう訊かれ 「唯!」直ぐ様答えた。 この日から私は二人から(ゆい)って呼ばれる事になった。 梨花子はサバサバした活発なタイプで男子とも平気で喋ってる。由紀恵は小柄でおっとりしていて、笑いの沸点が低いのか、いつもケラケラ笑っている。 「ほっとしたあ。誰も友達出来なかったらどうしようかと思ってた」 「私も」一息ついて由紀恵に同意した。 「梨花子は直ぐに友達出来そうだよね」 「うーん、そうかな? でもやっぱ最初は緊張はするよ。唯が由紀恵に話しかけてんの、焦ったもん。超横目で見てたよ」 「超横目。本気の横目だ」由紀恵はツボに入ったのかケラケラ笑った。 「三人っていうのがいいね」 「うん、何で?」 「だってさ、どっちか休んじゃっても一人にならないじゃない?」 「唯、どんだけぼっち嫌なのよ」 梨花子は笑ったけど、由紀恵は「わかるう」と同意した。 これから始まる高校生活は人間関係にかかってると言っても過言ではない。 ぼっちは、嫌だよ。寂しいもん。 だから、この日、私は心からほっとしていた。
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