ひかり、あるところ

12/34
616人が本棚に入れています
本棚に追加
/183ページ
「俺、高校入試(セレクション)失敗してるんです」 「うん、聞いた。噂なってた」 「そう……ですか」 「受かりそうなのにな、うまく行かないもんだな。でもF大とか、他の強いチーム入れたら別に高校(ルート)が違っただけだもんな」 「そうですね。次はもしセレクション落ちても一般でも絶対入ってやる」 「……え、意外に熱いね。槇野、頭もいいの?」 「はい」 「そっか、人生イージーモード?」  冗談でそう言ったのはわかる。だけど、真面目に返した。 「いや、メンタルが異常に弱い」  なのに、工藤先輩はゲラゲラ笑った。 「あはは! いやいや、強いだろ。お前、F大行ける気でいんだもん!」  一通り笑うと、工藤さんは 「……俺も、行けると思ってる。だとしたら、長い付き合いになるな」って言ってくれた。  俺を肯定してくれる人がまた一人増えた。当面の目標が出来た。工藤先輩くらい上手くなりたい。  ……工藤先輩の彼女、めっちゃ可愛くて何だろう、なかなか追い付けそうもない。
/183ページ

最初のコメントを投稿しよう!