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「俺、高校入試失敗してるんです」
「うん、聞いた。噂なってた」
「そう……ですか」
「受かりそうなのにな、うまく行かないもんだな。でもF大とか、他の強いチーム入れたら別に高校が違っただけだもんな」
「そうですね。次はもしセレクション落ちても一般でも絶対入ってやる」
「……え、意外に熱いね。槇野、頭もいいの?」
「はい」
「そっか、人生イージーモード?」
冗談でそう言ったのはわかる。だけど、真面目に返した。
「いや、メンタルが異常に弱い」
なのに、工藤先輩はゲラゲラ笑った。
「あはは! いやいや、強いだろ。お前、F大行ける気でいんだもん!」
一通り笑うと、工藤さんは
「……俺も、行けると思ってる。だとしたら、長い付き合いになるな」って言ってくれた。
俺を肯定してくれる人がまた一人増えた。当面の目標が出来た。工藤先輩くらい上手くなりたい。
……工藤先輩の彼女、めっちゃ可愛くて何だろう、なかなか追い付けそうもない。
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