622人が本棚に入れています
本棚に追加
/183ページ
何で、毎日河川敷に来るんだろう。
『私は、私で! 好きだからここにいるんだよ』
宮原さんが自分の意思で来てくれているのは知ってる。そう言ってくれたから。
じゃあ、何で来るんだろう。それを考えると、胸が熱くなった。もしかしてって思う気持ちを少し抑える。
この時間を楽しみにしていた。宮原さんもそうだといいなと思った。二人の時間。それが多少なりとも俺を自惚れさせた。もし……そうなら。
だけど、宮原さんはこの場所に友達を連れてきた。もちろん、それがどうしてかちゃんとわかっていた。
俺が馴染めるように。その甲斐あって、それを境にクラスメートと仲良くなることが出来た。
高校生活が楽しいと思うようになっていた。
俺の、ため。そうしてくれた宮原さんのおかげ。でも、二人の時間はなくなってしまった。自惚れていた気持ちに疑いが出てきた。そうじゃ……ないのかも。
宮原さんが、山地をあだ名で呼ぶとか、好きなタイプの芸能人とか、そんな事が気にかかった。
俺がクラスに馴染めば、お役ごめん、ってことなのか。
最初のコメントを投稿しよう!