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「まさか、5時の妖精っていうんじゃないだろうな?」
一瞬の戸惑いを隠そうと、そいつより先に言ってやった。
すんなりとそんなフレーズが出てきたのは、今5時だからっていうのに加えて、最近 新聞配達を始めた従兄から、虹の――いや、2時の妖精とかいう本のことを聞いていたせいだろう。
「すご~い! なんで分かったの?」
どうやら、適当に言ったことが 偶然にも当たったらしい。
そいつは目を丸くして、本気で驚いてるふうだった。
ファンタジーは、大好きだ。
それも、冒険ものというよりは、妖精とか出てくるキラキラ系のやつが。
男子のくせに――なんて思われそうで、同じ趣味を持つ従兄以外には秘密にしてるんだけど。
明らかに不可思議なこの状況をすんなりと受け入れてしまった俺は、相当なものかもしれない。
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