29人が本棚に入れています
本棚に追加
「ほら、また間違えてる!」
書き進める度、妖精は いちいち指摘してきた。
「ここも。〝あと5雰〟って何よ。雨いらないから」
「え? いや、冠ついてる方が、何となく かっこいいかなと思ってさ 」
年令を年齢、付属を附属とも書くように、分を雰とは書かなかっただろうか。あれ? 思い違いだったかな。
「わざわざ余計なもの くっつけて間違えるとか、あり得ないんだけど。もしかして――わざとやってるの?」
ムッとした。俺は ふざけてなんかいない。
「もう、静かにしててくれよ。気が散るじゃないか」
堪らず強めに訴えても、彼女は つんと澄まして
「私を誰だと思ってるのよ」
なんて挑発してくるものだから、尚更ムキになってしまった。
「5時の妖精なんだろ。もうとっくに5時は過ぎたんだから、さっさと帰ったらどうなんだよ!」
途端に 彼女は ものすごく寂しそうな目を向け、そのまま俯いてしまった。
最初のコメントを投稿しよう!